教育分科会 北京セッション

 「どうして中国は〇〇なの?」(〇〇はネガティヴなこと)という質問に

 

 「中国は人口が多いから…」「中国は国土が広いから…」

 

 この言い訳をセッション中何度も聞いている。

 

 

 外国企業の多くがまさにこれらの理由で中国市場に魅力を感じて進出している一方、ネガティヴな事象もこれによって説明されることは皮肉だ。この国の膨大な資源や人材も、巨大な人口と広大な国土を養うのには十分でないのかもしれない。 

 

 北京大生の思考は極めて合理的・経済的だ。まるで「限られた資源」を最大限に有効活用するために、常に考えているかのようだ。

 

 

 私は教育分科会に所属している。教育の場にどれくらい経済的な合理性を持ち込めるのか、ということは議論の対象だ。北京大生は教育の場にもいったん合理的な考えを持ち込むことにためらいがない。より多くのリソースを成長の可能性を秘めた人に“投資”するため、競争させるのは極めて正しい選択肢だそうだ。

 

 

その一方で彼らの思考はそこで止まっている。競争を善しとする発想の背景には、「限られた資源」があるというが、それ以上のことは聞いても納得のいくようなことをはまだ語ってくれてない。そもそもなぜ個人の体験や、個人の文化的な文脈の中の理由を第一にあげるのではなく、国家の地理や人口を最初に口にするのだろうか。

 

 

彼らの思考の仕方に癖や優先順位があるのならば、それをこの2週間で解き明かしたいと思う。