社会保障分科会夏合宿レポート

こんにちは!京論壇2013社会保障分科会参加者の万と申します。私は去年北京大学を卒業して、今は東大の修士一年生です。昔一年間の早稲田での留学経験に加え、日本は今年で二年目になります。このような少し特殊なアイデンティティで京論壇2013に参加できることを大変光栄に思います。

今回は、812日に行われた社会保障分科会の夏合宿の様子と自分の感想をお伝えしたいと思います。

 

合宿は、八王子にある大学セミナーハウスにて行われました。集合してから五人で花火とおやつを買いに行ったり、お互い近況報告しながら豪華なお昼を食べたり、午後1時半あたりから議論に入りました。まず北京側との共通テキストDimensions of Social Welfare PolicyIntroductionについて、各自英語で論点を挙げて、軽く議論しました。分科会での初めての英語議論なので緊張しましたが、本番まであと一ヶ月強なのでそんなことも言ってられません。

続いては第四章the Basis of Social Allocationsの輪読と議論ですが、アメリカの教科書だけあって、議論の進め方も論点も日本語テキストとは全然違います。視点を変えることで、メンバーそれぞれが社会保障のあり方と「富の分配」について再発見できたと思います。

二日目の議論は合宿のメインパートです。5人それぞれ担当とサブ担当の国の現行社会保障制度について発表し、各国の制度の共通点と相違点を比較しながら本番でのフレームワークを練ります。発表は高原(日本/アフリカ諸国)、万(中国/台湾)、窪西(イギリス/アラブ系)、篠生(スウェーデン/シンガポール)、高橋(アメリカ/南アジア諸国)という順番で進めました。各国の具体的な制度とその特徴にフォーカスし、本番での議論の土台を作るとても重要な基礎的情報を共有することができました。

しかしそこで議論のフレームワークに立ち返ると、いい案を思いつくことができませんでした。当たり前のことだけど、各国はそれぞれ違う発展水準に立ち、違う社会的事情を抱え、違う政策理念のもとで違う政策目標を追求しようとしています。その事実を改めて認識し、「ああそうか、それなら仕方ないね」というような結論ではなく、東大側と北京側がわざわざ議論し、価値観のぶつかり合いの終着点はもっと先にあるはずです。知識を貯蓄するうちにまた出発点に戻ったような気がします。議論の先に求めるものについて北京側とも近々意見を交換したいと思います。

時間が迫ってくる中、共通テキストの輪読・フレームワークの構築・英語力の強化とフィールドワーク+第二回全体ミーティングに向けての準備を同時に進める社会保障チームであります。合宿を通じて、自分がいかに優秀なチームメンバーに恵まれたかを改めて思い知りました。よく院における自分の研究についても思い詰めることがありますが、そんなときは5人で協力し合って、計画的に・順序良く準備を進める京論壇での経験を思い出すと、必ず力が湧いてくる気がします。そして、私にとって京論壇で得られる一番大事なものは、具体的な知識でも語学力でもなく、「人と人とのつながり」なのかもしれません。合宿一日目にやった花火も、夜のバスケと探険タイムも、深夜まで楽しんだ心理戦交えてのトランプも、かけがえのない宝物となりましょう。合宿で得られた経験すべてを糧に、あと一ヶ月強の準備に向けてさらに頑張りたいと思います!

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今回のブログは以上です。ご閲覧ありがとうございました!